あらすじ
毎晩宗教の会合に出るため、風呂の用意もせず外出する母親。そして、これまた毎日深夜に泥酔して帰ってくる父親。
共通しているのは、どちらも子供に対しては全くの無関心だと言うこと。ほぼネグレスト。
そんな環境に追い打ちをかけるように母親が自殺。菊池さんは本心を隠して平静を装い、人前では明るく振る舞ったが、逆に本当の自分が希薄になっていく。
やがて他人に心を開くことが出来なくなり、大人になって交際する男性は父親のような大酒飲みで暴力を振るう男ばかり。それでも、自分の家庭環境を異常だと認識することが出来ず、逆に自分を責めてしまう菊池さん。
しかし、あるきっかけで自分の育った家庭環境が異常なのだと気がつくことになる・・・。
感想
毒親が死んでも、自分の置かれた状況が全く好転しないのが恐ろしい所です。子供の頃から毒親の影響で認知を歪められているせいか、他人の好意をそのまま受け容れられない。
それどころか、まるで毒親のような相手とばかり付き合ってしまう。そもそも、毒親を毒親だと認識することが出来ない。毒親問題の深刻さを感じさせます。
やっと自分の両親が毒親だと自覚、自分の置かれた状況を理解しますが、それでも毒親の影響から抜け出すことは出来ません。
菊池さんのエピソードは、「酔うと化け物になる父がつらい」で、もっと詳しく描かれています。