あらすじ
酔うと化け物になる父がつらい最終回です。
余命宣告を受けてから約2年半、父親の葬式で喪主を務めた菊池さんは大泣きして、心の中で父親にしてきた暴力や罵詈雑言を後悔します。
葬式が終わっても、自分を責める気持ちが次々にわいてきて、精神のバランスを崩すほど。父親が悪いのだと、理屈では理解できても心がついて行きません。
ようやく落ち着いたのは、父親の死後2年も過ぎた頃でした。
感想
結末は、救いのないものだなあと感じました。全ての元凶である筈の父親が死んでも、菊池さんが心の平穏を得ることは出来ません。
いつも父親のことを思い出してしまい、そしてあれだけ迷惑をかけられた父親を嫌うことも憎むことも出来ない。
どうしても「親に愛されたい」という思いを断ち切れず、この世にいない父親にそれを求めてしまう。
結果、父親を憎めず自分を憎むことになる。父親を責めることが出来ず、自分を責めてしまう。
毒親は死んだ後も、子供の心に残した毒によって子供を苦しめるのです。
書き下ろしの漫画には、菊池さんが頻繁に見る悪夢について描かれています。これは今でも、両親を助けられなかったことで、菊池さんが自分を責めている事の現れでしょう。
菊池さんが自分を許す時が来るのを祈るばかりです。